ユニバーサルフィールド・コンシェルジュ養成講座を開講
平成30年度観光庁事業、産学連携による観光産業の中核人材育成・強化事業
~山岳観光資源を活用したユニバーサルツーリズム推進人材育成事業~
信州大学は、平成30年9月18日、松本キャンパス中央図書館セミナー室にて、ユニバーサルフィールド・コンシェルジュ養成講座開講式を実施しました。
この講座は、バリアフリー環境の有無や障害の有無を問わず車いすユーザーと、その家族や友人が『共に』自然を楽しむために必要な専門的な知識を習得し、ユニバーサルフィールドで催行する旅行商品の企画、観光事業者へのアドバイス、また、観光事業者と旅行者のコーディネートに対応できる人材を育成するものです。
ーユニバーサルフィールドとはー
物理的障害や設備の有無を意味するものではなく、身体的、心因的状態の異なる多様な人間同士が着想や人の手を用いて、誰もが実用可能となる環境です。
開講式では、濱田学長による開講の挨拶、中村理事(研究、産学官・社会連携担当)の挨拶に続き、ご来賓のみなさまにもご挨拶をいただきました。
開講挨拶 信州大学長 濱田州博
副学長 研究、産学官・社会連携担当理事 中村宗一郎
司会 学術研究・産学官連携推進機構 林靖人准教授
観光庁参事官 田村 寿浩氏
長野県観光部観光誘客課課長 丹羽 克寿氏
本講座の受講生は、観光機構、観光協会、施設運営会社、旅行会社、バス会社、バリアフリーセンターを主な所属とする17名(うち2名は障害当事者)で、県内のみならず、東京や大分からも参加されています。受講生には、濱田学長から受講証が一人一人に手渡しされました。
第1回目の講義は、『ユニバーサルフィールドツアー商品化に向けたユニバーサルフィールド・コンシェルジュが持つべき基礎知識』として4部構成で展開されました。
第1部として、観光庁参事官 田村寿浩氏より『ユニバーサルフィールド・コンシェルジュ養成講座に期待すること』と題して、産学連携による観光産業の中核人材育成・強化事業の趣旨と国内の観光事情の説明、本受講生に期待することについてご講演をいただきました。
田村寿浩氏
第2部として、長野県観光機構国内ツーリズム推進部部長 原弘文氏より『ユニバーサルツーリズムへの思い』として、ご自身の障害のある方とそのご家族を対象としたツアー催行時のご経験から、旅行業に携わる際の心構えや旅行者とのコミュニケーションの重要性、ユニバーサルツーリズムへの思いについてご講演いただきました。
原弘文氏
第3部として、富士見高原リゾート株式会社社長 福田敏明氏からは、『先進的取り組み事例紹介』として、富士見高原リゾートの取り組みと県内ユニバーサルツーリズムのはじまりについてご講演いただきました。
福田敏明氏
そして、信州大学からは第4部として、全学教育機構 加藤彩乃助教および本学観光庁事業コーディネーターよりユニバーサルツーリズムの概論および信州型ユニバーサルツーリズム推進に向けた具体的な方策について、国内外の事例紹介や専門機材の紹介を交えた講義を行いました。
加藤彩乃助教
受講生は9月から翌年2月まで全6回の講習を通して、ユニバーサル・フィールドコンシェルジュが持つべき6つの要素、①企画力、②専門知識、③調整力、④情報発信力、⑤コミュニケーション力、⑥評価改善力について学び、ユニバーサルフィールドで催行する旅行商品の企画、観光事業者へのアドバイス、また、観光事業者と旅行者のコーディネートに対応できる実践力を身につけます。
各回の講座後には6つの要素に関連するアンケートを実施し、習熟度を確認していきます。
今後は、第2回目に岩岳マウンテンリゾートで実施される『専門機材の取り扱いと安全管理講習』、第3回目の『山岳観光資源を活用したユニバーサルツアーの実現に向けて』、第4回目の受講生地域のユニバーサルビジネスコンテスト』、第5回目の『ユニバーサルフールドモニターツアーの実施(1泊2日)』、第6回目の『ユニバーサルフールドモニターツアーの検証・修了式』と講習を進めていきます。
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